2000年 4月17日

       

 

 

自分更新日記

   

日記のIndexへ

    テキスト庵 
       




日記猿人に登録しています。 よろしかったら、このボタン、押してみてください。

読みました、ということが私に伝わります(?) 

 

 

 

 

 最初に、宣言いたしまっす! 今日の日記は暗いでしょー! その上、長くなるでしょー! ですから、そういうの読みたく無いって人は・・・Love&Fleshのほうを読んでください。 ウッス!

 

 さて本題。

 

 昨日は、かなーり疲れました。 なぜかというと・・・大泣きしたからです。 自分、感情的になることが少ない方だとは思うのだけど、そのせいなのか? 怒ったり、泣いたりすると「グッタリ」するぐらい疲労が溜まります。 うぐぅー。

 

 で、泣いた理由というのは、入院中のBちゃんです。 昨日の朝方(4時)に、つきそいの家の人から「容態が急変した、集中治療室に移されたから」と連絡が入ったんです。 ボォ・・・っとしながらも顔を洗ったり、でかける準備をしていたのだけど、また電話がなり「面会は11時に30分だけしかできないから、今、来なくて言いからねー」と・・・。 

 そうか、とベッドに戻ったけど、結局、眠れずジマイ。 その前の晩にベッドに行ったのが2時ぐらいだったので正味2時間の睡眠だった。

 

 朝、友達と合流、朝ご飯用のパンと飲み物を多めに買って病院にでかけた。 11時。 割烹着のような上着を形だけ着せられ、集中治療室に入って・・・唖然とした。

 昨日まで、病室で話をしていたBちゃんは・・・管人間になっていた。

 

 動いてケガをしないようになのか? 無駄な体力を使わないようになのか? 手首はベッドの両側に軽く固定されており、両足からは「輸血」の管が赤く伸び。 両手からは透明の液体を点滴されていた。 そして、口からは太いガスパイプみたいな管が伸びていて、その先は空気を送り込む器械(むかし、ゴムボートを膨らますときにシュコシュコ踏んだ小さい蛇腹みたいな器具に似ているもの)に繋がっていて。「シューシュー」と定期的に空気をBちゃんに送りこんでいる。 その音が響いていた。 鼻からも管が伸びている。

 

 空気を送る管のせいで、口は聞けなくなっていて。 目と、指先だけで私達に意志を伝えようとするBちゃん。 右手でOKサインをしていた。 不謹慎だけど、とても滑稽だと思った・・・でも、そのとたんに・・・グッときてしまった。 からだの中に溜まっていた感情が、塊みたいになってのどの奥に込みあがってきた。

 

 でも、そこで泣いたら、ずっと一緒にいる一番身近な人達に悪い気がして。 奥歯に力を入れて、自分の手のひらに自分の親指の爪を突き立てて、泣くのを我慢した。 Bちゃんと握手をして、待合室に戻った。

 

 そのほかの人達も待合室に戻ってきて「朝ご飯食べようか」と、みんなにパンとジュースを配る。 食欲なんか無かった。 頭の中は「どうして人間は自分の死ぬ状態、死ぬ時期を自分で選ぶことができないんだろう???」ということで一杯だった。 でも、食べようと思った。 だれかが、パンの袋を開けないと、誰も開けない気がした。

カシャッとパンのビニールを破き、もそもそとパンを咀嚼した。 その場にいた他の2名が「ちょっと外の空気を吸ってくる」と言って出ていった。 残されたのは、私と男友達と、Bちゃんの一番身近な家族。 私と男友達は、言葉もほとんど交わさずにモソモソとパンを咀嚼し続けた。

 Bちゃんの家族が「ちょっとトイレ」と行って出ていった。 広いその部屋に私と男友達だけになった。 そのとたん、喉の奥の塊が現実になった。 涙がドッ・・・と声も泣く出てきた。 ほんと「今だ!」って感じで。 それでも私は、モソモソとパンを食べながら、涙を流し続けた。 鼻をすすり続けた。 そして、家族が戻るまでに、止めた。

 

 あんなに、まずいパンを食べたのは産まれて初めてだった。 食べても食べても、いつまでたっても無くならないような感じもしていた。

 

 その時に、ずっと頭に浮かんでいた映像は、病室で見せてもらったBちゃんの肺のレントゲン写真。 ツヤッとしたフィルムに、Bちゃんの骨が映っていた。 実際、みなくちゃいけないのは、「肺にある影」のほうだったのだけど。 それは、家族の人達に任せて、私はBちゃんの骨のラインをジッと目で追っていた。

 とても綺麗だった。

 鎖骨から肩にかけての骨は、とても華奢で、優雅にカーブを描いていてアラベスク模様の草のようにも見えた。 こんなに女らしい、綺麗な鎖骨をもつBちゃんが・・・。 管人間になってる・・・。

その事ばかりが頭を回った。

 

 暫く、どうでも良い話をして、お昼には他の友達4人と会った。 以前から約束していたランチだったので、どうしても行かなくてはならなかった。

 何事も無かったみたいに、イタリア料理を食べ、いつものように笑い、コーヒーまで飲んだ。 泣くと、目の下にクマができるので、目深に帽子を被ったままでズッと過ごした。

 

 帰り際に、中の一人が「グッ」と私を引き寄せ包容してくれた。 彼女の頬を、自分の頬で感じながら癒されているように感じた。 人の体温は優しいなと思った。

 

 2度目の面会時間の為に、その後、また病院に向かった。 Bちゃんの様子は私が見た限りでは、朝よりも良くなっているように見えていた。

 

 そして、家に戻り、今、こうやって日記を書いている。 色々なことがあったような気がするし。 そうでも無い気もする。 ただ、体に実感としてあるのは「疲れた」という感じだ。 今日、起きたことをキチンと自分で考えて、自分に取り入れるにはもう少し時間が必要な気がする。 だから、今日は、ただ起きたことをツラツラと書き綴っておく。 後で、自分で読み返して、考え直す為に。

 

 それにしても、感情がやむを得ず爆発してしまうと、どうしてこんなに疲れるのだろう? からだの中には、色々な水分があるのに、涙を搾り出す・・・という作業はそんなに難儀な事なのだろうか? 今は、あまり深く考えたくない。 これからゆっくり眠ります。 オヤスミナサイ。

 

 

 

 

 

 

HOME