2000年 5月02日

       

 

 

自分更新日記

   

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    テキスト庵 
       




日記猿人に登録しています。 あ、いや・・・だから何って事では無いんだけど・・・できたら押してくれたらうれしーなー・・・なーんて思ったり思わなかったり(実は、すごく強烈に渇望!・・・あはは) 

 

 

 

 

 駐車場へ車を入れる順番待ちで、トーロトロトーロトロ運転している助手席に座り、外を観察していた。 いやー、人を見てるのって面白っす。 色んな顔があるよなー・・・。

 

 

 なかでもひときわ目立っていたのが「黒いサッチー(野村佐知代さんのほうね)」風のおばさん。 厚化粧のブルドック風味のお顔に、「シャネルざんす!」と金ぴかマークがコメカミに入ったサングラス(大判)。 和風仕立てに膨らませたアップの髪に、なぜだか? 後頭部には大きなサテンの黒いおリボン。 全身真っ黒のワンピースで、両脇のスリットからはブットイ両足がダンッ!と出ている。 ハイヒールの甲の所には肉が残って盛りあがり、靴が悲鳴を上げているようにパンパン。 ワンピースのウエストには、これまた「シャネルでゴンス!」と光るチェーンベルト。 ベルトの上には肉がもっこリ・・・。 肩からは、ストール(黒地にラメラメ)を羽織、指には「これでもかぁ!」とでかいダイヤが光っている。 お嬢持ちしたバックはケリーバック。

 

 

 なぜだぁ〜、なぜぇ〜日本髪みたいにするぅ〜・・・それにどーしてそのサングラスをぉ〜・・・。 頭抱えたくなった。

 

 う〜む・・・暑っ苦しい・・・。

でも・・・なんで暑っ苦しく見えるんだろう? お化粧、おリボン、サングラス、ブランドモノ重ね付け、アクセサリー、宝石、ラメ、肉・・・全てが過剰なのだと思う。 潔さが無い。

 

 過剰は暑っ苦しい、暑っ苦しいのは野暮だ。 そうしてみると、洗練っていうのはシンプルって事だよね? 対極にいる人だなぁ・・・。 などと思いながらゆっさゆっさとガニマタで闊歩する黒いサッチーを見送った。

 

 それにしても洗練って難しい。 見た目の洗練は削ぎ落とすことが基本だと思う。 でも、人って結構自信が無い生き物だから、削ぎ落としていく勇気が中々でない。

 

 洗練・・・で思い出したことがある。

 

 あるランチタイムに、私は広尾に行った。 当時の彼氏とランチを取るためだ。 こじゃれたレストランを良く知ってる人だったので、店選びとかは彼に任せていた。 広尾の駅で待ち合わせして、歩いてスグのイタリアンレストランに行った。

 

「いらっしゃいませ」

と私達を迎え入れたのは、白人の男性。 流暢な日本語を話す。 パルバボーレ・・・なんちゃらかんちゃら・・・たぶんイタリア語でいらっしゃいませって言ったんだと思う(推測)。

 ふぅーん。 と思いながら席に案内された。

 

 ランチのメニューは3000円から4000円のセットがメイン。

 オーダーを取りに来たウエイターは黒人の男性だ。 身のこなしはリッパなウエイターだけど、日本語がかなりカタコト。 英語で受け答えをしたら嬉しそうだった。 ちょっと南部なまりのあるアメリカ人だ。

 

 フッと周りを見ると、ウエイター達はほとんどが「外国人」だ。 白人の金髪の女性。 白人の男性、さっきの黒人の男性・・・。 なんだか分らないけど・・・不思議な気がした。 

 

 料理が運ばれてきた。 サラダやスープは「可も無く不可も無い」って感じ(言っちゃ悪いけど、ファミレスレベル・・・盛りつけだけが綺麗)。 メインデッシュに期待した。

 

 っんが! 出てきたのは・・・「なにこれ・・・カニクリームコロッケじゃん?」ってもの。 ついでに「異常に小さいんですけど・・・」というさびしいオマケ付き。 う〜ん。

 

 目の前を見ると、彼が小さいステーキを小さく切りながら口に運んでいる。 私と目が合うと

「ね?これがソフィスティケーションってものなんだよ」

と言った。

「え?どういうこと?」

「こういう場って、アジアには中々無いでしょう?」

ときた。

 

 実は、私達は、そのランチの1週間前に一緒に台湾を旅行していたのだ。 台湾では夜店をうろうろして怪しい飲み物を飲んだり、食べたり結構冒険していた。 私はそれに何の不満も無かったというか楽しかったのだけど。 彼は密かに嫌だったらしい。

 それに引っ掛けての

「ソフィスティケーション」

って事なのだ。

 

 なんだか分らないけど・・・ちょっとムゥっとしてしまった。

 果たして、その空間、その料理はソフィスティケーション・・・洗練なんだろうか??

 

 確かに、広尾近辺は外国人の方が多い。 でもみんな結構流暢な日本語を話す。 でも、その時、そのレストランで料理を食べていた客はほっとんど、いや、見渡す限り日本人だけだった。

 私の考え過ぎなのかもしれない。 でも・・・

異国の人達をワザワザウエイターとかに使って、悦に入る・・・というのが差別のような気がして仕方がないのだ。

 これがアメリカとかで異人種がいて当たり前の空間だったら、別にナンとも感じなかっただろう。 でも、その場だったら「あまりにも当たり前」な空間の中で誰が「洗練」という言葉をワザワザ使うだろう?

 洗練されたサービス。 というのだったら分る。 でも、そういう意味では無いようだ。

 

 私は、「何かが違う」と思いながら、そのカニクリームコロッケをついばんでいた。 ハッキリいって、近所のお肉屋さんのお惣菜のクリームコロッケのほうが全然全くすんごく美味しい。

 

 台湾の屋台では、盛り合わ方など気にもせず、どしゃっ!と料理が盛られていた。 さぁ食え! と言わんばかりに。 そして何食べても美味しかったし、安かった。

 それはそれで「安くて美味しい」という事を追求したもので。 洗練とでも言えるような気がするのだ。 

すごくシンプルな事実がそこにある。 「安くて美味しいものを食べさせる」

 

 でも・・・だ。

その広尾のイタリアンレストランにある真実って、どうなんだろう?

 カタコトの日本語を話すウエイター達、運ばれてくる見かけばかりの料理、高そうな家具・・・そこにはどんな真実があるの?

 全く私には理解できなかった。 ハッキリ言ってしまうと・・・「ランチで雰囲気だけ味わってもらって、利益得てます」という感じがする。 でも、その事実を絶対的に隠していたいような感じもする。 複雑だ。 なんだか色々なものが過剰だ。 過剰は洗練じゃない。

 

「これはソフィスティケーションじゃないよ」

思わず言ってしまった。 言わずに、ニコニコとランチを終わらせれば良かったのだけど・・・。 だって、出てきたデザートが・・・ただのプリンだったんだもん!!ムッカー!!

 

 もち、そのあと、言い争いです。 ハイ。 口げんか。 ハイ。 負けません(←自慢するなっつの・・・)。

 

 でも・・・実は、まだ良く自分でも分っていない。 雰囲気におけるソフィスティケーションって何だろう? 洗練された雰囲気・・・多分、想像するのは「相手に、洗練なんてサービスの存在なんて気付かせること無く、リラックスして楽しんでもらえる」空間・・・なんだと思う。

 って事は、「洗練なんだよね」なんて言葉が飛び出す時点でブーッ、アウト!なんじゃないんだろうか?

 

 後で思い出して「あ、あそこって気持ち良かったね、なんだか知らないけど」って言われるような場所、空間なのかもしれない。

 

 ハッキリと考えが固まったらLOVE&FLESHのほうにでも書いてみようと思っています。 いつになるのか・・・わかんないっすけど・・・トホホ。

 

 ところで・・・私が見たのは・・・本物のサッチーだったんだろうか???←遅いっつの!

 

 

 

 

 

 

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