2000年 5月10日 |
||||||
|
自分更新日記 |
|||||
テキスト庵 | ||||||
↑
|
||||||
Bちゃんが今日。 死にました。 いつかはこの日が来るのは分ってました。 でも心の準備は出来てませんでした。 死んでいく人以外で心の準備が出来ている人というのはいないのかもしれませんけどね。
実は、GW中から、「もうだめかもしれない」と何度か病院に呼出されていました。 でも持ちなおしていたんです。 だからワザワザそのことを日記に書くのを避けていました。 「死ぬわけない」とどっかで思いたかったからだと思います。 あと、人にあんまり暗い日記読ませるのも悪いかな? ってちょっとそんな考えもあったんです。 でも今日は、もうダメ。 我慢出来ない。 だから書きます。 ヨロシク。
目の前でライブで、人が死んでいくのを見ました。 今まで、ひぃおじいちゃん、おじいちゃん、おばあちゃんの死にあった事がありましたけど。 ライブで人がただの「ブツ」になる瞬間を見たのは多分初めてです。 「強心剤を4回注射しましたけど、それでも脈が落ちてきているので、もう本当にだめだと思います」 と言われたので、病院に来て欲しいと家族から電話がありました。 速攻行きました。 Bちゃんは昨日よりも大きく膨らんでました。 点滴を山のようにされていたので、その水分を体がもう吸収できずに浮腫みとして出てきてたわけです。 白い肌がパンパンに張っていて、ツヤがあって・・・キレイだなと思いました。 不謹慎だけど・・・。
脈拍が90だったのが80になり70になり60になる、それに合わせて血圧もドンドン下がっていき、上と下の差が縮まっていきます。 脈が50になって、突然ストン・・・と0になりました。 もう1度強心剤を注射されて90まで戻りましたけど、5分も持たずに0になりました。 血圧は上23、下22そんな感じです。
死です。
体のいたるところには、ガーゼの束が張りつけてあります。 水です。 体の傷から体液というか点滴の液が流れ出してきちゃうわけです。 「おー、Bちゃんの水芸だぁ」 心の中でくっだらない冗談を言っていました。 誰にも言えません。 私はとんでもないときにとんでもない冗談を言ってしまうクセがあるので、今日は我慢してみました。 そういえば、祖父が死んで自宅に戻ってきたときも「口が開いてしまうから」と包帯でアゴから頭を巻いて帰って来たのだけど。 それを見て、フッと「なんだかほぉっかむりの与作って感じだよな」って言ってしまい・・・笑ったのは妹だけだったりしたしな・・・。(中学生でした、ワタクシ) 多分、苦手なんだと思います。 悲しみに直面するのが。 だから冗談を言って逃げようとするのだけど、それが下手なんだわさ、トホホ。
心臓が止まるちょっと前に、涙が目と同じ幅でダッと流れてきました。 しばらく気がついておらず、人からテッシュを渡されて「あー泣いてたのか」と気がつきました。 周りにいた人、全てが泣いていたと思います。 でもみんな自分自身の悲しさと格闘するのに忙しく、お互いを思いやるヒマがありませんでした。 でもそれは良い事なんだと思います。 あんなときに、優しくされたら、崩れていくだけ。 立っていられません。 みんな勝手に自分の悲しさを処理する、それで良いんだと思いました。
死が訪れても、しばらくは呼吸器が入っていたので、Bちゃんの胸はいつものように上下していました。 不思議でした。 あぁ、本当に、ムリヤリ息をさせられていたんだな・・・ってそんな感じでしたね。
人はやっぱりもれなく死ぬのですね。 改めて思った。
遺体と一緒の車に乗って、夜景を見ていました。 首が座らない子供のように、揺れに任せて首をガックンガックン動かして、流れ出る涙をふかずに見る夜景はそれはキレイでした。 歪んで、流れていく光や看板全てが揺れていました。
きっと、私はものすごくブサイクな顔をしていたと思います。 これでもかと口角はヘの字に曲がっていただろうし。 涙で目は腫れていただろうし、手で擦りすぎたために頬だって真っ赤でした(後で確認)。 誰かに顔をあの時、まともに見られたら「アンコウそっくりだ」と言われても文句は言えなかったと思います。 車内が暗くてラッキーでした。
でも、たぶん・・・明日のほうがもっとブサイクです。 泣いた翌日はもっともっとブサイクになります。 それでも良いんです。 今、私にはブサイクを気にする余裕が無いです。 明日は思いっきりブッサイクになって1日過ごします。
今も、この日記を書きながら、ちょっとでも油断すると涙の野郎が出てこようとしています。 出してたまるか! 夜は強気でいられます。
でも、明日の朝が辛いと思います。 いつも病院に行く時間に私は何を考えるんだろう・・・。 その時間の自分を想像するとものすごくコワイです。 実感してしまうのがコワイです。 でも仕方が無いです。 Bちゃんはもういません。 私も一歩進んで生きていかなければなりません。
本当のことを言うと、まだやっぱり実感が無いんです。 本当のとんでもない爆弾みたいな悲しさや寂しさを故意に自分で避けているような感じがします。 それがいつ来るのか? ちょっと自分でも分りません。 こうやって日記が書けている・・・ということは、まだ大丈夫だと思います。 というか思いたい。
そんなこんなありますので、メールの返事が中々書けないと思います。 私をご存知の皆さん。 私からからメールが来ない・・・と心配しないでください。 そういう理由ですんで。 気持ちが落ち着いたら、きちんと書きます、ウッス!
|
|
|||||
←Back | ||||||
|