その56

 

Tease Me  

 

 Tease ティーズ、 いじめること、じらすこと。 そんな意味がある動詞だ。 普段の会話に使うと「いじめ」ってことになるけれど。 ベッドの中で使うと、また違った意味合いが出てくる。

 

 Tease Me そのままの意味でいったら「いじめて」という意味だけれど。その裏には「もっとじらして」「もっと楽しませて」というようなニュアンスになっていく。

 

 「楽しむ」為には「じらす」事が必要。 たしかに、ベッドの上ではそうだ。 自分で自分の快楽の頂点を上げるために、自分自身を焦らす。 自分の中にある「もっと」という気持ちを、「我慢」を使って焦らしていく。

 

 相手の快楽をもっと引き出すために、相手が望むど真ん中のことへ近道しない。 どちらかというと遠回り、周りをグルッと何度もまわりながらも核心には中々触れない。 

 

 これはもしかしたら、ベッドに行く前にも適用できることなのかもしれない?

 ベッドに行きたいのを承知の上で。 早く、相手の全てを見てしまいたい、感じてしまいたい衝動を自分で押さえて、「我慢」を屈指して「普通」を装う。 自分自身に対する「いじめ」だ。 でも、その「いじめ」はなんだか甘い。

 

 相手が自分を欲しがっていることを充分に承知の上で、ゆっくりと食事を取り、ゆっくりとデザートを楽しみ、夜景を楽しみ、風を楽しみ、お互いの手の感触を楽しむ。 遠回りしながら、自分を、相手をいじめていく。 

 

 そうしてみると、「後でベッドに行くかもしれない」予感のある2人にとって、全てのことを前戯として扱うことが可能だ。 例えば、その日にベッドに行くことにならないとしても。 いつかは・・・という期待がお互いの心にあるうちは有効。

 

 待ち合わせの場所に、現れるだけで、一緒にメニューを選ぶだけで、一緒に一歩二歩と歩くだけで、 話をするだけで・・・。 2人でする経験全てが前戯になる。

 長い長い前戯。 長い長い焦らし合い。 我慢ができなくなった先にあるのは?

 

 Tease Me.

 

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