その22 |
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Love & Hate | |
やけぼっくいに火は点かない、本当なんだろうか? たった1度だけ、それを試したことがあった。 結果的には失敗だったけれど。
学生時代に付き合っていた彼と、社会人になってから偶然会い、また付き合いなおした事があった。 じつはココのコンテンツにも書いた「クリスマスツリーになった日」の彼だ。 あれは2度目の別れ、最後の別れの話だったんだけど。
あの最後の別れの後、共通の友達から噂を聞いた。 「クリスマスの日」の事件は彼の仕組んだことだった。 と言う事だ。 つまり、彼は、1度目の別れで私に何がしかの恨みを持っており、2度目に付き合ったときですら「復讐」を忘れられなかった。 という事らしい。 本人の口から聞いたのではないので、本当かどうか? はもう分らないけれど。 本当かもな・・・。 という気はする。
半面・・・でも・・・という気持ちが無いわけでもない。 2度目に付き合ったときも、私達は楽しい時間を過ごしていた。 弾みかもしれないけれど、彼の口から「結婚」という二文字も飛び出していた。 私自身はまだやりたい事がやりきれていない感じがあったので、言葉を濁して流してしまったけど。
愛情と憎しみ。 確かに、真剣に相手に嵌れば嵌るほど、避けて通れないモノなのかもしれない。 アポロとデーモンのように、もともとはそっくりな双子が、ある瞬間から性質を変えてしまうように。 相手に執着するという点ではとても似ているけど、その性質はまったく反対。
最初、その「復讐劇」の話を聞いたとき。 正直驚いた。 というかショックだった。 暫く、誰も信じたく無いような感じだった。 少しずつ、時間がたつにつれ、「ショック」から「なんだか分る気がする」というような気持ちになった。 彼は1度目でとても傷ついたのだろうと思う。 彼のプライドが。 復讐で気がすむのなら、まぁ良いかと思った。
そして今は、少しフシギな感情を持っている。 彼は、愛ではなく憎しみで私を抱いていたのだ。 多分、そうだったのだと思う。 でも、憎しみと愛情はとても良く似ている。 結局、私は、アノ日「殺伐とした気持ち」を味わったけれど。 本当に最後の最後に傷ついていたのは・・・どっちだったのだろう? 相手を抱きながら、憎しみを覚える・・・それは、結構ツライ事なんじゃないんだろうか? もしかしたら、精神的にダメージを受けていたのは、彼のほうだったんじゃないんだろうか? 私は、ウカツにも、彼の憎しみをずっと愛情だと思って甘受していた。 だから、ある意味、幸せだった。 でも、本当の真実を1人受け止めなくちゃいけなかった彼は・・・孤独で・・・もっと殺伐と、寒い思いを味わっていたのではないのだろうか? 復讐に復讐されるように。
やはり愛と憎しみは、とても良く似ている。 なぜなら、射精の瞬間の彼の顔はどちらの場合も同じように、痛みとせつなさと、敗北を映し出していたから。
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